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『EVERYDAY NOTES』

●2008年11月

『OPENNING NOTE』

 
 

EVERYDAY NOTES - archive - 2008 december

12月31日(水)
 2008年最後の日。一日中、スローな時間。何をするともなく、家族全員でわいわい。みんなの揃った年越しは10年ぶりか。総勢9人で焼肉を食べに行く。格闘技だの、お笑いだの、テレビ鑑賞。0時にみんなで年越しそばを食す。少しして、早速また小学校までジョギング。薄っすらと汗をかく。深夜はベストセラーになっている『悩む力』(姜尚中、集英社新書、2008)を読みながら寝る。今年は4年弱住んでいたベルリンを離れて日本に帰国した変化の年であった。家族や沢山の友人、知人の助けがあってここまでやってこられたと思っている。この場をお借りしてお礼申し上げたい。本当に有難うございました。フィーレン・ダンク!!!

12月30日(火)
 午前中、ゆっくりする。午後から一人で京都に行く。近鉄電車にはあんまり人が乗っていなくて何だかノスタルジックな光が差し込む。電車の中で『夢と魅惑の全体主義』(井上章一、文藝新書、2006)を読み終わる。ムッソリーニ、ヒトラーの建築に対する夢を分かりやすく都市の形成から紐解いていて、日本のファシズムまで説いているのが新鮮で四百項以上あるのに一気に読めた。予てから行きたかった伏見稲荷大社に行く。千本鳥居をスケッチして、ぐるぐると自然の中を鳥居に誘われるがままに歩く。多様な自然に鳥居が連続し、不思議な連帯感を感じながらの散策は魅力的だった。夜は、大学時代の友人と合流し楽しく食事。京野菜と日本酒が美味。ほろ酔いで帰りの電車のために買った『脳はもっと遊んでくれる』(茂木健一郎、中公新書ラクレ、2008)も読み終わる。雑誌のエッセイということですごく軽い読み物だが、内容が多岐に渡っていて刺激を受ける。地元の駅に着いたら小学校の時の同級生とばったり再会。世の中本当に広くて狭いな、まったく。元気そうで、当時の面影はそのままだった。

12月29日(月)
 午前中、ゆっくりする。実家に帰るといつも家が狭く感じるのは子供の記憶と大人の体のギャップからなのだろう。午後、みんなで神戸に出かける。子供たちは大人たちに肩車されて喜んでいた。ニコンは相変わらず調子がよくパシャパシャ行く。神戸に吹く風はソウルのそれより温かくて過ごしやすい。オムレツを食して帰宅。『われらの歪んだ英雄』(イ・ムニョル、情報センター出版局、1992)を読み終わる。韓国の小学校にも子供たちの権力社会構造やいじめがあり、日本人である自分が驚くほど違和感なく読むことができた。しかし、翻訳されているためかペースがなかなか掴めなかった。続けて『夢と魅惑の全体主義』(井上章一、文藝新書、2006)を読み始める。こっちは、切り口が鮮やかでスイスイ読み進む。深夜、思い立ったように母校の三碓小学校まで走る。通学路の風景は、寂しいことに駐車場やマンションで大きく様変わりしていた。更には学校にもプレハブの校舎が増築されていた。

12月28日(日)
 午前中、部屋の整理をしてゆっくり読書。昼は水餃子を食してインチョン空港までバスに乗る。漢江越しのソウルをしっかりと脳裏に焼き付ける。バス専用の車線を猛スピードで進むバスに揺られながら色々と考える。やはり、旅に出ると自分が良く見える気がする。絶対的他者の中に自分を入れることで普段以上に頭が刺激を受けて思考する。これを持続せねばといつも思うのだが、これがなかなか難しい。夕方、関西国際空港に無事到着。久しぶりの南海電車と近鉄電車を乗りついて実家に帰宅。ソウルは近くて遠い外国だが、東京に住む自分にとって小学生時代を過ごした奈良や大阪も見方を変えれば外国に見えてくるのは何故だろう。兄の結婚式で一時帰国したとき以来、三年ぶりの家で家族全員集合。車一台では皆で動けなくなり、すっかり大家族になった。甥と姪の笑顔には家族みんなをハッピーにする力がある。深夜、和室のダンボールから学生時代の本を整理していたらその量の多さに愕然とする。懐かしい本をいろいろとつまみ読みして寝る。

12月27日(土)
 午前中、ドライブに連れて行ってもらう。車のスピードで感じるソウルは又違って見える。漢江の広さにはやはり圧巻。昼は美味しいチヂミやビビンバを頂く。午後、韓国音楽を聴きながらドライブは続く。渋滞を抜けて、サム・チョン・ドンに行き、続けてインサンドン周辺を散策。何とも賑やかな界隈で若者が多い。息を白くしながら寒い街を沢山歩く。上野のアメ横に似た活気があり、姪に土産を買う。晩飯はサムゲッタン。ベルリンで初めて食べた思い出の韓国料理だったので、本場の味には格別感動する。やはり昨日の昼の水餃子と同様、メニューが少ない店と店構えが過剰に立派でない店は本当に安くて美味い確率が高い。キムチにもあっさり、こってり、激辛、酸っぱめなど実に多様でどれも美味。遠くに見えたソウルタワーのシルエットを描いてみたいと思ったが、やはり寒すぎてスケッチをあきらめてしまう。しかし四泊目になると、このホテルも何だか親近感が沸いてくるが、明日にはソウルの旅は終わり、奈良に帰郷する。2008年も後4日。

12月26日(金)
 午前中、地下鉄に乗って漢江を橋で渡るときにソウルが丘の上の都市であることに気がつく。冬の鋭い光が何とも緩やかに連なる建物群を綺麗に浮かび上がらせる。その密度はどこかアジアのポルトのようだった。閑散とした住宅街に突如として三つの現代建築によるリウム・サムソン美術館が姿を現す。ジャン・ヌーベルはパリのクィ・ブロンリーのようにランダムな箱の塊を黒い鉄でつくり、マリオ・ボッタはレンガで円錐形の幾何学的美術館をつくり、レム・コールハースはガラスとコンクリートでカルチャーセンターをつくっていた。あまり期待しないで行ったが、やはりピンとこない建築群だった。周りの敷地に対して唐突な感がした上に、個々の建築がどこかちぐはぐな印象を残した。収蔵品も見慣れた作家が多く、ナム・ジュン・パイクがダントツで見応えがあった。何だか疲れてしまい、水餃子で回復する。火事で修復中の南大門までバスで移動し、ソウル市庁舎の周りを散策。目的地もなくただ歩くこと、若干迷子になることを楽しむ。しかしあまりに寒くてカフェで暖を取りながら至福の読書タイム。カプチーノ2杯で『旅する力』(沢木耕太郎、新潮社、2008)を一気に読み終わる。沢木耕太郎はずっと気になっていたが本を読むのは初めて。すごく読みやすく、旅に対する姿勢など驚くほど共感することが多かった。特に「わかっているのは、わからないということだけ」という文章が印象に残る。全くその通りだと思う。みんなが差異を受け入れるところからしか何も始まらないと思うから。ホテルに帰るとすっかり暗くなっていた。プルコギを食して、部屋で今度はイ・ムニョルの小説を読み続ける。しかしどうしたことか、寒くてスケッチができないな、この旅は。

12月25日(木)
 午前中、ホテルの周りを散策。雲ひとつない快晴だが、風が強く寒い。昼は、地下鉄に乗ってソウル中心街へ。クリスマスは祝日の韓国、街中が人であふれかえっている。道路の幅が広いところは秋葉原に似ているように感じた。ケーキを持った恋人たちが沢山いた。寒すぎてスケッチはできなかった。遅めの昼食に食したチゲは美味かった。夕方は、また地下鉄で移動して街歩き。風が強くて長く散歩していると体の芯まで冷える。本屋に入ったら、村上春樹の小説のみならずエッセイまでもが訳されていることと『ホームレス中学生』が平積みされていたのに驚いた。カフェに入って小説を読む。サムソンプラザには、大きなクリスマスツリーが光っていた。夜は屋台でおでん。早目にホテルに戻り、読書したり、ノートに思いついたことをメモしたりする。明日は美術館でも観に行こうかな。

12月24日(水)
 午前中、NIDショップの件を電話で対応し、年賀状を追加で購入。十人分ほどを郵送。部屋の大掃除をできるところまでやって、旅の準備、スケッチブックとカメラ。初めての韓国旅行。急に決まったソウル4泊5日の旅。羽田から二時間半ほどのフライトですぐに到着。クリスマスということもあってバスが大渋滞に巻き込まれる。韓国人には喫煙者が多い印象。スタイルのいい女性も多い。ソウル郊外のホテルにチェックインして遅い食事。大好きなサムギョッサルを注文。街には看板やネオンが所狭しと建物を覆っていて、顔は似ている日本人と韓国人、それぞれの都市の表情は結構違うのかもしれない予感。明日からの街歩きで考えたい。その土地に行ったらその土地の文学を、というのが僕の鉄則。『われらの歪んだ英雄』(イ・ムニョル、情報センター出版局、1992)を読む。窓の外にはネオンがやさしくカーテン越しに光っている。新しい都市に来たらいつも興奮して寝られない。

12月23日(火)
 午前中、打ち合わせの最終準備。NIDショップで2時間フルに打ち合わせ。建具からヒンジ、開口枠、照明などサンプルを見ながら決めていく。いよいよ空間が立ち上がる気配。午後は神楽坂のDUNEオフィスにてショップの家具のデザインミーティング。モデルにデザイン家具を置いてプレゼン。夕方、新宿で友人とお茶をし、オペラシティにて『蜷川実花展』を覗く。花をモチーフに沢山の作品が展示されていたが、やはり圧巻なのはポートレート。モデルの方々と蜷川カラーのバランスがモデル達の新しい表情を引き出していて美しい。夜、帰宅して部屋の整理をして新しい本棚を設置する。深夜、読書して寝る。

12月22日(月)
 午前中、メールなどの雑務。午後、図面などのファイリングをして机とコンピューターを整理。現場と電話で打ち合わせ。夕方、NIDショップの家具のチェック、これで明日の打ち合わせをする。夜、小学校の恩師に電話。6年以上ぶりの連絡に近況を話、年賀状を送るために住所も教えてもらう。深夜、久しぶりに目黒川沿いを走って汗を流す。急にまた寒くなったけど、体は少し軽くなった。ジョギングを続けたい。

12月21日(日)
 師走とは思えない暖かさ。まるで春の風が吹く。引越しの準備でてんやわんやの弟を引きずり出してキャッチボール。肩がうまく回らず、グローブをしている左手もすぐに痛くなるも、楽しいひと時だった。午後、NIDショップの家具のスケッチとモデル作り。夜、横浜国際総合競技上へ。トヨタカップ決勝戦を観戦。中学時代マンチェスターに住んで以来のサッカー馬鹿なので、ユナイテッドのサッカーが観られて終始興奮する。後半、数的不利になりつつも負けないサッカーを展開し、ワンチャンスでルーニーが試合を決めた。しかし、日本のお客さんは静か。ロナウドのドリブル突破に「どよめき」が生まれるも、6万8千人の超満員にも関わらずあれだけ静かな90分間は何とも不思議だった。世界最高峰のサッカーを観て元気をもらって、帰宅しNIDショップの家具モデルを又つくる。深夜、読書して寝る。

12月20日(土)
 午前中、部屋の整理と掃除。天気も良く風が気持ちよく部屋を抜けていく。午後、弟とIKEAに行って作業机を購入。夕方、アメリカから帰国した親父と羽田空港で荷物のバトンリレーをし、そのままトロント時代の友人たちと忘年会。中学生の時からの大切な仲間はいつ会っても変わらず盛り上がる。二組の夫婦に銅版画をプレゼントする。更に、来年にはスペインのスケッチをコラージュしたドローイングをコミッション・ワークとして描くこと約束する。頑張らねば。

12月19日(金)
 午前中、机の上の整理と年賀状のプリントアウト。5年ぶりの年賀状になるが、まずは115枚くらいになった。学生時代に石山さんに「建築家になりたければ年賀状が500枚くるような人間になれ」と言われたのを覚えているのでまだまだ半人前だな。午後、NIDショップの開口部に関することで電話対応。どうにか現場をストップしないで動かし続けられそうで一安心。夕方、白井版画工房にて銅版画を刷る。いよいよ第一作品目が無事完成。これはとにかく三部作なので、新年も続けて頑張ろう。白井先生に飲みに連れていってもらう。なんと、百年前のフレンチワイン、1909年のサン・クロワを頂く。百年の眠りから覚めたワインは時間と共に甘さが増して素晴らしい重みのある味わいだった。手料理も美味。深夜、いつものように自転車で帰宅。読書して寝る。

12月18日(木)
 午前中、NIDテーブルのスケッチ。午後、NIDの現場に行って空調の確認、建具のディテールなど細かい打ち合わせ。天井の吊りのワイヤーも検討。夕方、新宿まで自転車で行って世界堂でフレームを購入し、友人夫婦の結婚祝いを準備。夜は、そのまま久しぶりに新宿で飲む。ゴールデン街に行って友人とああでもない、こうでもないと楽しく話し込む。夜風に当たりながら目黒まで自転車で帰宅。深夜、角田さんの本を少し読み進める。

12月17日(水)
 午前中、冷たい雨で気分も乗らない。本年度の現金出納帳を完成させる。午後、NIDショップの現場で電気工事の打ち合わせ。その場で確認してどんどん進めていく。内装の壁もどんどん立ち上がって空間ができていく。わくわくする。家具のデザインミーティングをして帰宅。早速モデルをつくりながらプロポーションを検討。夜は、高校時代の友人たちとにぎやかに忘年会。みんなそれぞれの道で相変わらず頑張っていて嬉しくなる。深夜、角田さんの旅の本『いつも旅のなか』(角田光代、アクセスパブリッシング、2005)を読みながら寝る。

12月16日(火)
 午前中、現金出納帳など経理関係の書類の作成。メールなどの雑務。午後、年賀状の作成と名簿のデジタル化を進める。『勝間式「利益の方程式」』(勝間和代、東洋経済、2008)を読み終える。大企業を相手にコンサルタントとしてやってきた経験則に基づいた仕事術は勉強になるが、直接的に建築設計事務所に結び付けられるところは少ないように感じた。夜、ベルリン時代の友人と新橋のドイツ料理屋へ。近況を話し、思い出話にも花が咲いた忘年会。深夜、NIDのテーブルをスケッチする。もう師走も折り返し。

12月15日(月)
 午前中、NIDショップのテーブルを少しエスキース・スケッチし、青色申告会へ行く。空気は冷たいけど快晴の空の下、自転車は気持ちよい。経理についての講習を受ける。帰宅しスケッチを続ける。夕方、銀座にて髪を切る。そしてクライアントの方に誘われてシャネル・ネクサス・ホールにて兵庫達弥写真展『モダンな白眉』のオープニングへ。セーヌ川に浮かぶセガン島にあるルノーの自動車工場解体を追った写真が綺麗な空間に演出されていた。作家ご本人をはじめ、多くの方々と話す機会があり楽しかった。しかし、モバイルアートもしかり、シャネルの企業力はすごい。近くで美味しいかきそばを頂きながらクライアントの方と色々話す。深夜、アガンベンをまた読み進める。

12月14日(日)
 午前中、冷たい雨が降る中、部屋の掃除。今日からぐっと寒くなった。午後、年賀状の製作とこれを機に名簿を作り始める。夕方、弟と渋谷で家電を物色。夜、大学時代の連中と恵比寿で忘年会。大学入学して丁度10年の付き合いになるが、皆かわってないね。続けてダーツをして解散。よくしゃべった。深夜、読書して寝る。

12月13日(土)
 午前中、メールなどの雑務。昼、大学からの友人夫妻と合流し車でIKEAへ。ベルリンでも何度も行ったので、何とも見慣れた商品に懐かしさすら感じる。事務所のための本棚を購入し、100円ホットドッグも食してIKEAの思うつぼ。自宅まで送ってもらい、一緒にお好み焼きを食べながらの近況報告。建設会社で働く彼から学ぶことは多い。夜は部屋を整理して、ゆっくり読書。『お金は銀行に預けるな』(勝間和代、光文社新書、2007)を読み終わる。金融リテラシーをつけなければならないと実感。続けて『利益の方程式』(勝間和代、東洋経済、2008)を読む。建築とは関係ないようで社会の仕組みという意味では大いに勉強しなければならない。深夜、目黒川沿いを半時間ほどジョギングして寝る。

12月12日(金)
 午前中、NIDショップの壁の寸法を整理。昼、北山創造研究所の餅つきに顔を出す。ものすごい沢山の人たちで西麻布の道路は完全に広場となっていた。おいしいお餅も頂いて、北山さんやスタッフの方々とも挨拶。本当に多面的に人が人とつながって「エナジーリンク」されていくのを感じて大いに刺激を受ける。午後、NID現場にてガラスについて打ち合わせ。続けて内装の工事について現場で職人さんと決めて確認していく。昨日で床や壁の解体が終わり、現場は何もない状態になっていた。来月のオープンをめざす。夜は、ワタリウム美術館へ。島袋道浩展『美術の星の人へ』を観て、トークショーでご本人の話を聞く。2004年よりベルリン在住ということで共通することもあって楽しく話を聞かせてもらった。何より島袋さんの「美術」が日常の捉え方に発想の原点があるだけに枠を超えた新鮮さがある。まさにコンテンポラリーアートだ。カタログも何とビッグイシューの方々に売ってもらうらしい。

12月11日(木)
 午前中、NIDショップの開口スケッチ。現場の解体がスタートし、明日のガラス屋さんとの打ち合わせを調整。午後、経理関係の書類に思いのほかてこずる。建築について考える時とは全く異質な脳の部分を使っているような感覚だ。夜、トロントの中学時代からの友人夫妻宅へ。美味しい食事とワインを頂きながら近況を話し、投資などについていろいろと教えてもらう。ワインの酔いは早いな。深夜、『お金は銀行に預けるな』(勝間和代、光文社新書、2007)を読み進める。自分の金融ボキャブラリーの少なさを実感する。

12月10日(水)
 午前中、NIDショップの打ち合わせ準備。午後、現場にて職人さんを交えての打ち合わせ。工事契約も無事成立し、いよいよ内装工事がスタート。短時間で集中的に進めて、来年の1月15日オープンを目指して頑張りたい。夕方、DUNE社長に確認、報告し、わくわくする。その後、白井工房にて先週刷った銅版画の年賀状を受け取りに行く。夜は恵比寿で友人と食事。その友人の友人も合流し、何とも楽しい集まりだった。深夜、今後の動きを整理して、『コンフォルト』の池田さんの原稿のゲラを最終チェックしメールで送信。この雑誌も正月早々の5日に店頭に並ぶと思うので多くの人に見てもらいたい。池田さんの作品は本当にインパクトのある素晴らしい絵画だから。読書して寝る。色々な本を拾い読みしているとなかなか最後までいかないので集中しないと。

12月9日(火)
 午前中、ゆっくりデスクワーク、もろもろの書類をファイリングする。午後、神楽坂のDUNEオフィスにてNIDショップのデザインミーティング。モデルを見ながら天井のデザインを決めていく。雨が降り続いていて、一段と寒く感じる。夜、NIDショップのラックスケッチ。読書して寝る。

12月8日(月)
 ほとんど寝ないで集中してプレゼン資料の仕上げ。電話でNIDショップの件を対応。午後、尾山台村増築計画の基本提案フェーズ終了ミーティング。とても充実した打ち合わせだった。庭のオリーヴの木に今年、十年目にしてついに実がなったとのこと。オリーヴの葉の形は美しい。40年間手塩にかけて育てた庭にはたくさんの物語があることの幸福感に感動、共感する。いつも新しい発見があり、模型と図面、スケッチであっという間の五時間。夜は、六本木にて話題作の『レッドクリフ』(監督:ジョン・ウー、2008)を観る。想像通りのアクション映画。寝不足の疲れからか深く印象には残らなかった。

12月7日(日)
 午前中、机と部屋の整理。午後、自転車で渋谷へ。ベルリンで知り合った友人がNHK交響楽団のコンサートに招待してくれた。初めてのNHKホール。本番前にヴァイオリンとヴィオラの室内楽があり、素晴らしかった。本番もシャルル・デュトワ指揮のストラヴィンスキーを堪能。久しぶりのクラシックコンサートに来て気がついたのは、クラシック音楽は思考するための最高の栄養だと。やさしい音楽に包まれて色々なことを考えた。その後友人とお茶をして帰宅。ひたすら仕事。尾山台村増築計画のプレゼンを仕上げていく。開業祝として今日いただいたCD、『バーンスタイン、キャンディード』をリピートで聴きながら作業を進める。熱中してたら東の空が明るくなってきた。

12月6日(土)
 午前中、友人夫妻と橋本へ。天気も良く、ドライブ日和。むくどり風の丘保育園にて『OMソーラーの木造保育』の見学会と武山倫氏による環境、設備のレクチャー。技術的なデータも沢山見せていただいてとても説得力があり、大いに勉強になった。設計をした袴田喜夫先生にも実際に保育園を歩きながら案内してもらう。子供たちのための建築には夢がありわくわくした。友人夫妻と美味しいつけ麺を食して電車で一人、神楽坂へ。DUNE社長とNIDショップの打ち合わせ。方針を固めたので、来週から動かせたい。夕方、兄の家に行って甥と姪と遊んで食事をする。楽しい時間。先月製作したラックも、フルに千枚以上のCDが収納されていた。喜ばれていて何よりだ。

12月5日(金)
 結局六時まで作業し、九時半にまた起床。モデルの修正を終え、昼の打ち合わせに向かう。強風の中、千駄ヶ谷にて建設会社の方々と尾山台村増築計画の打ち合わせ。2時間、たっぷりと話し合い、とても建設的なミーティングだった。帰宅後大雨が窓に降り注ぐ中、電話にてNIDショップの件を対応。その後すぐに銅板を持って白井工房へ。いつものように四時間たっぷり作業。今日は12枚もの年賀状をバリエーションを交えて刷った。夜、NIDショップのデザインについてビールを片手に話し合う。いよいよ佳境、頑張りどころだ。フル稼働のため深夜くたくたになって帰宅。メールなどの雑務をこなしてベットに倒れこむ。読書もランニングも今日は無し。

12月4日(木)
 午前中、メールなどの雑務。午後、業者さんなど電話対応。明日の尾山台村増築計画プレゼン準備。途中、新しいアイディアを整理する。エスキース・スケッチにモデル製作。気がついたら晩飯食べずに深夜だった。昨日のランニングで軽く筋肉痛のため、今日は少しばかりの腕立て伏せ。ボブ・デュランを聴きながら作業続行。

12月3日(水)
 午前中、自分の年内の動きをスケッチ。午後、尾山台村増築計画を進める。夕方、昔からの友人で柿渋染家の冨沢恭子のかばん新作展示会『茶+青』を見に青山へ。柿渋の独特な色合いと深い藍染の青がオリジナルに組み合わさり、シンプルなカットでつくられた沢山の素敵な鞄があった。その後青山ブックセンターで本を物色し、渋谷で親友デザイナーと飲む。ああでもないこうでもないと卓球のラリーのごとく近況を話す。自分のやっていることをこうして旧友とぶつけることでまた刺激を受け、示唆に富んだアイディアが生まれる。有難い。深夜、もう今年も師走ということもあって、目黒川沿いを半時間ほどランニング。昨年までの2年連続ベルリンマラソン完走も、遠い昔。今年は、ノー・マラソン。重い体を軽くして新年を迎えたい。また、アガンベンを読みながら寝る

12月2日(火)
 午前中、神楽坂のDUNEオフィスにて今後の方針を社長と打ち合わせ。午後、NIDショップの件で業者さんとの打ち合わせ。その後、デザインミーティング。夕方、尾山台増築計画について作業。夜、久しぶりにNHK『プロフェショナル』を見る。今日のプロは、騎士の武豊。やはりそのストイックなまでに競馬を愛し、馬を愛し、仕事を愛する姿に共感する。レース中、馬に乗っていても「地面を感じる」ことがあるいう発言が印象的。深夜、コンフォルト編集者より池田学さんの記事のゲラが届き、早速修正をして原稿を再送信。

12月1日(月)
 午前中、メールなどの雑務。午後、NIDショップの家具のスケッチと尾山台増築計画の図面作業。『時の墓碑銘』(小池民男、朝日新聞社、2006)を読み終わる。深い教養に支えられた氏の多岐に渡る文章にはいつも感動する。中原中也にはじまり、D・ソロー、G・グールド、H・アーレントまで選び抜かれた必要最低限の言葉で現代が多様に語られていたのが特に印象的。夕方、東京大学にてフォスター事務所のパートナー・アーキテクトであるアンディー・ボウの特別講義。すごく明確なデザインとコンセプトのフォスター建築を圧倒的なテンポでわかりやすくレクチャー。氏のエネルギーと自信に満ちた声に建築のパワーを再確認。僕の「建築家としてプロジェクトを進める上で一番の挑戦は何か?」の質問に対して、「予算、クオリティー、時間の三つのバランスをクライアントと一緒にみつけること」という明快な回答を得る。世界トップクラスの水準を感じて大いに刺激を受ける。夜、IT社長の友人と食事。波長の合う、違う世界でのプロの人と会うといつも盛り上がる。沢山の話で違った共通項があり、今後いろんな展開を一緒に考えていきたい。雨の中、帰宅。頭の中を整理して、読書する。

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