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『EVERYDAY NOTES』

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『OPENNING NOTE』

 
 

EVERYDAY NOTES - archive - 2010 febuary

2月28日(日)
 午前中から冷たい雨が降る。昼、『抱擁のかけら』(監督:ペドロ・アルモドバル、2009)を観る。久しぶりのアルモドバル映画だが、脚本や演出、主演のペネロペもどこか想定内の作品で期待値を超えることはなかった。階段の描き方が映像としてもメタファーとしても印象的。

 午後、「エレメント」構造デザイナー、セシル・バルモンドの世界展を観る。構造家と建築家のボーダーをなくすような感覚を展示のバナーや文章から感じ取る。インスタレーションよりもアニッシュ・カプーアとのコラボレーションに興味を持つ。続けて、桑沢デザイン研究所の卒業設計展を覗く。スペースデザインからプロダクトデザイン、ファッションとみんな元気よく作品をまとめていた。

 夜、U邸のスケッチを進めて、メールなどの雑務。気がつけば夜空の満月が三月のはじまりを教えてくれた。

2月27日(土)
 朝から品川プリンスホテルにて来日中のポルトガル人の友人と合流。南洋堂にて『CONDITIONS』の日本販売について打ち合わせ。うまく了解してもらい、早速創刊号から最新の三号まで置いてもらえる事になった。ビジュアル重視の建築雑誌が多い中、ビジュアルデザインとアカデミックな文章の絶妙なバランスで世界中のネットワークをいかし、ノルウェーで編集されている新しい雑誌なので興味のある人は御茶ノ水の南洋堂までぜひ足を運んで手に取ってみてください。トライアルで計20冊を置いてもらっているので期待したい。

 昼、東京大学にてオスロのAHO大学の講評会を見学。クリティックは、乾久美子さんと千葉学さん、成瀬友梨さん。ノルウェーの学生が東京・羽田の敷地にてデザインしている設計課題。まだ一ヶ月の中間講評だが、みんなユニークなカタチをそれぞれのプログラムでまとめていた。

 夕方、大竹昭子さんの企画する<カタリココ>にて写真家・板垣真理子さんの話を聞く。ブラジルとアフリカの宗教や文化が奴隷売買をきっかけに複雑なミックスになっていく様を丹念にドキュメントしていて興味深かった。日本人である僕にとって写真に映っていた黒人たちは、圧倒的な他者なのだが、お二人の話を聞いていて構造的な類似性が明確に見えてきて印象に残る。音楽や踊りを通して神々に対する思いが言い伝えられ、変化していくのだが、本質的には共通した構造をもっている事に驚き、感動する。板垣さんに挨拶し、ブラジルの写真集と最新著作を購入する。しかし、途中でお二人がそれぞれの著作を朗読したのだが「声」として聞く文章は圧倒的強度をもって伝わってくるのを感じる。

 夜、AHO大学の打ち上げに合流し、アシスタントを努める友人とあれこれ話し込む。建築家として働きながら大学でアシスタントをし、雑誌『CONDITIONS』を共同編集している彼女とは、これからも一緒に色々とやっていきたい。五年前は、ベルリンの設計事務所で一緒に働いていた友人とこうして仕事を出来るのは実にチャレンジングなので頑張りたい。

 深夜、長い一日が終わり、事務所でメールなどの雑務。思えば、先週ハーフマラソンを走ったが、明日は抽選で漏れてしまった東京マラソンだ。

2月26日(金)
 午前中、U邸のスケッチを集中的に進める。まだまだ沢山のバリエーションの展開を発見していく。

 午後、恵比寿で打ち合わせを一本。続けて、横浜美術館へ。束芋『断面の世代』を観る。初めてこれだけまとめて彼女の作品を見たが、線の力と色彩感覚などの世界観に強く日本らしさを感じた。映像作品に強度を感じ一番印象的だったが、きっとドローイングを描いていたら必然的に動かせたくなったのだろう。先日のトークイベントで都築響一さんの話が出てきたが、『TOKYO STYLE』(都築響一、京都書院、1997)の写真に見る部屋にあふれる過剰な物たちが描かれていて、暗闇に捨てられていくのを示唆的に感じた。

 夕方、STスポットにてチェルフィッチュの『わたしたちは無傷な別人であるのか?』(作・演出:岡田利規、2010)を観賞。演劇を可能な限り断片化してすべての事象を等価に観客に投げかける事でありふれた価値観(今作の場合は「幸せ」)を問い直すきっかけをもらったように思う。

 夜、再度トレーシングペーパーに向かってU邸の平面をスケッチし続ける。

2月25日(木)
 午前中、メールなどの雑務。昼、近く千葉県の方に引っ越す友人とランチ。近況報告し、新生活についてあれこれ話を聞く。すっかり暖かくなって、春めいてきた。午後、恵比寿で打ち合わせを一本。U邸のスケッチを続ける。一階平面のバリエーションを進める。

 夜、「都会の森」ドローイングを描き進める。『現代霊性論』(内田樹・釈徹宗、講談社、2010)を読み始める。

2月24日(水)
 午前中、メールなどの雑務。昼から集中してU邸のスケッチを進める。

 夕方、ノルウェーから来日しているポルトガル人の元同僚が来所。事務所で独立してからの仕事を紹介。彼女は、雑誌『CONDITIONS』の編集者であり、日本でのカントリー・マネージャーになって欲しいと依頼されたので承諾する。まずは日本での販売パイプを確保したい。とにかく三年ぶりの再会を楽しむ。

 深夜、久しぶりに「都会の森」ドローイングを描き進める。生活の中のバランスをしっかり保ちながら頑張りたい。 BGMは、デクスター・ゴードン。

2月23日(火)
 午前中、荷作りもほどほどに電車に乗って金沢へ。21世紀美術館でのオラフォー・エリアソン展をゆっくり満喫。期待値が高かったが、それを全く裏切らない素晴らしい展覧会だった。『あなたが出会うとき』と題されて、人と人の沢山の出会い方を空間的に演出。実にシンプルで美しい。都市の縮図のような建築なのでより効果的にエリアソンの光が都市的な体験に類似していて何度も展示を回った。常設展の方は、ゴードン・マッタ=クラークの映像に見入る。住宅や工場などの建築を物理的に切断し、光を取り入れている様を映像化している。これぞドキュメンテーションといった見る者をワクワクさせる作品だった。

 公園に隣接していた金沢能楽美術館にも足を運ぶ。学芸員さんの丁寧な説明で能についてあれこれと勉強させて頂き、三階にある稽古場(研修室)も見学する。

 夜、20年ぶりに再従妹と会って食事。おままごとをしていた女の子が立派に医大生になっていた。お刺身を食べながら、近況を話し合い盛り上がる。またの再会を約して、金沢駅まで送ってもらい夜行バスに乗り込む。

2月22日(月)
 午前中、ゆっくり過ごす。メールなどの雑務。午後、法隆寺に行く。夢殿から参拝し、春めいてきた季節を喜ぶ。五重塔も素晴らしいが、何より久方ぶりに見た百済観音の佇まいに息をのむ。

 夜、歯医者になった幼なじみと食事。二年以内に彼の歯科医院を設計するので色々と意見交換。建築家と歯科医の仕事の構造的類似性について大いに盛り上がる。こうして20年前に一緒に秘密基地を作ったり、ミニ四駆で遊んだ友人と仕事をする喜びをかみしめる。

2月21日(日)
 午前中、友人と隣の公園を散策。半年前から飼い始めたワンちゃんとも遊ぶ。昼前、神戸の方まで車で送ってもらう。高速道路からはフンデルト・ウ゛ァッサーのゴミ焼却場が見えた。

 お施主さん候補夫妻と打ち合わせ。建築について条件などを中心にあれこれ話を伺う。続けて車で敷地を見に行く。長方形の綺麗な敷地で、方角を確かめながら色々と頭の中でアイデアを巡らせる。

 午後、忘年会に呼んでもらって以来の内田樹先生宅にて「甲南麻雀定例会」に参加。画家の山本浩二さんをはじめ、編集者の方など素敵な方々と麻雀を打つ。学生時代の感覚はなかなか戻ってこず、流れを掴めず負けてしまうも、ワイワイ楽しく打たせてもらう。夜、奈良の実家に帰宅。

2月20日(土)
 朝から第一回赤羽ハーフマラソンに参加。スニーカーの底がアスファルトを蹴る乾いた音を聴きながら21.0975mを走る。河川敷の風景を楽しみながらキロ六分のペースで走るも16キロで失速。明らかに練習不足。でも二時間ちょっとで完走。給水がうまくできなかったのでゴールしてからのポカリスエットを一気飲みする。久しぶりの疲労感が脚に残る。

 昼、東京大学にて難波和彦先生の最終講義を聴きにいく。先生が六年半の研究室での仕事を丹念に紹介。建築設計のみならず、技術、環境、思想哲学など他分野に網羅的に研究を進めているのをみて難波研究室の学生たちを羨ましく思う。

 フラフラの脚で帰宅して出張の準備。夕方、ニューヨークで知り合った友人が香港に転勤になったので壮行会に参加。オーガニックの野菜中心料理を堪能し、異分野で活躍する友人たちといつになく盛り上がる。同世代でこうして頑張っている友人たちから沢山のエネルギーをもらう。そのまま東京駅から新幹線に乗って新大阪まで。ぐっすり寝る。

 学生時代の友人宅に泊まり、夫婦でインド旅行をしてきたばかりだったのでお土産話しに花が咲く。長い一日が終わる。この出張はしっかりとカタチにしたい。

2月19日(金)
 午前中、メールなどの雑務。昼、渋谷で貿易関係の仕事の打ち合わせ。夕方、安部アトリエにてコンペの提出を終えての打ち合わせ。今後のことなどについて話し合う。やりきったので吉報を待ちたい。

 夜、事務所で週末からの出張の準備。デスクワークをもろもろ済ませて、明日の朝、赤羽ハーフマラソンを走るので早目に就寝。コンペなどの忙しさもあって、確実に練習不足だがレースを楽しみながら走りたい。

2月18日(木)
 午前中からコンペの追い込み作業。どんどん、模型写真などの仕上げやプレゼン資料を作成。ラストスパートで完成度を高めて、納得のいくプロポーザルに仕上げていく。

 夜、恵比寿の写真美術館にて『恵比寿映像際~歌をさがして~』のプレオープニングに友人の編集者が招待してくれたのでちょこっと顔を出す。十日間ほどのイベントだが、ナム・ジュン・パイクやジョン・ケージと言った贅沢なメンバーが出展していて何と入場無料。会場で一番印象的だったのが地下階でスナックを再現し、今は懐かしのレーザーカラオケの映像を流していた都築響一さんの作品。ありふれた酒場の風景が美術館の中にあるということでシュールな印象を持った。都築さん本人にもお会いする事が出来て話を聞く。ぜひ、期間中にゆっくりとまた覗いてみたい。

 そのまま安部アトリエにてプリントアウトの確認。データの微調整をするためにすぐに事務所に戻って作業をする。深夜、送信。

 久しぶりに読みたくなって本棚から『小さな家』(ル・コルビュジェ、集文社、1954)を引っ張り出して再読。モダニズムの巨匠が両親のために考えて設計した小さな家の本。そこにはコルビュジェの情熱や愛情が読み取れる。こんな仕事をしてみたい。

2月17日(水)
 午前中からコンペの作業。どんどんコンテンツを増やして仕上げていく。午後、安部アトリエでデータを渡して、モデルの撮影など進める。事務所に戻ってもコンペのスケッチをやり続ける。あと少し、納得のいく仕上がりになりそうなのでテンションも上がる。

2月16日(火)
 午前中、コンペのスケッチを進める。午後、池袋にて照明デザインなどについて打ち合わせ。新しい仕事なので、しっかりとした共通認識と向上心をもって取り組みたい。

 夕方、事務所に戻ってひたすらコンペ。集中してプレゼンテーション資料を仕上げていく。メールで送信してお互いのチェックをしながら作業が深夜まで続く。あっという間に一日が終わった。

2月15日(月)
 午前中、メールなどの雑務とコンペのスケッチ。仕上げ段階なので一番発進力のある状態を探っていく。

 昼、恵比寿で友人と翻訳の仕事。演劇関係だが、翻訳ではなく、いつか舞台設計などの仕事をやってみたいものだ。

 夕方、安部アトリエにて打ち合わせ。プレゼンの確認と各方面のブラッシュアップの連続。事務所に戻って、集中的にダイアグラムやプレゼンテーション資料を作り込む。今日も何だか一日中、雨が降っていた。

2月14日(日)
 午前中、集中してコンペのスケッチを仕上げていく。昼、作業を続けて、完成したものを送信。

 午後、竹橋の近代美術館まで行って『ウィリアム・ケントリッジー歩きながら歴史を考える~そしてドローイングは動き始めた…』展、最終日にかけ込む。もう最初の小さな映像作品から魅入ってしまう。炭で描かれた実に魅力的な二次元であるドローイングが、丹念な作業により時間を獲得して映像となる。正に動き出す。ケントリッジの飽くなき探究心が実に多様なモチーフ(タイプライター、コーヒーメーカー、電話、時計等々)を描き出し、恐ろしく美しい物語が立ち上がる。描いては、消しての繰り返し。ツルッとしたパソコンのモニターでなくて、ザラッとした木炭紙の質感に残る無数の痕跡に芸術としての本質的な強度を感じる。映像作品も凄いし、その映像を作るのに使用したドローイングも展示してあり感慨。更には、視覚に対する試みとして二枚の絵が飛びさすようになっていたり、湾曲した鏡面ステンレスに正確な像が映り込むように描かれた作品も圧巻。質と量ともにこれだけの展覧会は、なかなか出逢えないのではないか。最終日にこれだけの賑わいを見せていたのが、そう思ったのはきっと僕だけではない何よりの証拠。

 夕方、青山ブックセンターにて束芋(現代美術家)×鈴木芳雄(BRUTUS副編集長)による「才能の発見」と題された対談を聞く。才能を発見されるアーティストと発見する編集者としてのそれぞれのスタンスを丹念なスライドショーを交えて話してくださった。束芋さんの「待っていれば会いたい人には絶対会える」というポリシーと、鈴木さんの編集者としてその作家をどのタイミングで雑誌に紹介するかという時に「(アーティストとして)卵の時には興味がなく、前足の出てきた頃のカエルに興味がある」というお話が面白かった。

 夜、事務所に戻って仕事。スケッチを修正して更に仕上げていく。深夜、作業に疲れたので、半時間程目黒川沿いを走る。寒い中、程よく汗をかく。そういえば今朝、モーグルの上村愛子が四位で惜しくもメダルに届かなかった。四年間の汗と涙がわずか30秒弱の一本の滑りで決まるというスリルに興奮する。「お疲れさん」と言って休んでもらいたいが、ぜひ4年後、また五輪のメダルに挑戦してもらいたい

2月13日(土)
 午前中からコンペのスケッチ作業、外は雨、あられ。

 午後、安部アトリエにて打ち合わせ。プレゼンテーション用のスケッチの方向性を修正して、模型での形態チェック。いよいよ終盤戦に突入。

 夜も、終始コンペのスケッチを続ける。メールで送信しながら、作業を進める。深夜、途中になっていた『伊勢神宮』を読み進める。

2月12日(金)
 午前中、メールなどの雑務。昼、打ち合わせを一本済ませて、渋谷で所用。事務所の環境を整えて、午後コンペのスケッチを続ける。

 夜、ニューヨークで知り合った友人たちと食事。ポートフォリオを見てもらったら、そのレストランオーナーが版画をその場で一枚購入を決めてくれた。友人も自身の新しいSOHOのためにドローイングを描いてほしいとのコミッション。少し時間ができたらしっかりと描き上げたい。こうした反応が嬉しくて遅くまで盛り上がる。

2月11日(木)
 午前中、新しいiMacの作業環境を整える。メールなどの雑務。昼、コンペのスケッチを進める。

 午後、門前仲町にて坂田明による『音楽とミジンコの不思議な関係』「サカタ式」レクチャー&ライブに行く。音楽とミジンコについて話をしながら、「じゃあ、一曲吹きますか」と言った具合に坂田さんの人間味あふれるステージ。優しいサックスの音に包まれる時間。

 夕方、事務所に戻って仕事。CGの仕事を進めて、コンペのスケッチを続ける。夜、「都会の森」ドローイングも描き進める。この小作も折り返しと言ったところか。頑張らねば。

2月10日(水)
 午前中、メールなどの雑務。コンペのスケッチを進める。

 午後、安部アトリエにて打ち合わせ。全体のプレゼンテーションの進め方とモデルを見ながらの構造の打ち合わせを進める。夕方、恵比寿で打ち合わせを一本、それからCGの仕事を進めて、コンペのスケッチもやる。

 深夜、シトシトと雨の降る中、「都会の森」をテーマにしたドローイングを描き進める。

2月9日(火)
 午前中、メールなどの雑務。「納期未定」でずっと待っていたiMacが届く。

 午後、千葉にて撮影の仕事。高校時代の友人からの依頼。一日中、写真を撮っていた。頼まれて出来ることは、可能な限りやるようにしているので、これも完成が楽しみ。 往復の電車で『ネオリベラリズムとは何か』(デヴィッド・ハーヴェイ、青土社、2007)を読み始める。

 夜は、別の友人たちに版画やドローイングを観てもらい、アートを買って、生活の一部にするという事についてあれこれ食事をしながら盛り上がる。

 深夜、iMacにアプリケーションを入れたり、データを整理したりする。ずっと、iBookで仕事してきたので、まだ27インチのモニターの大きさに圧倒されている状態。

2月8日(月)
 午前中、コンペのデザイン作業を仕上げて、送信。昼は先日マラソンを通して知り合ったフラワースタイリストの平井かずみさんが夫妻でやってる自由ヶ丘にある『カフェ・イカニカ』でランチ。

 午後、早稲田大学まで行って石山先生に挨拶。最近出版された雑誌版画作品を観ながら近況を話し、あれこれ良質で難しい宿題を沢山もらったような時間を過ごす。

 夕方、安部アトリエにてコンペの打ち合わせ。方向性や今後の作業を確認する。夜、コンペのスケッチとドローイングにペンを入れる。

 深夜、NFL第44回スーパーボールを観る。アメフトの特徴であるフィジカルな面はスポーツとしてもちろん魅力的だが、シンプルなルールの中にある複雑に高度化した作戦に感心してしまう。ハリケーン・カトリーナで被害を被ったルイジアナ州を本拠地とするセインツが初制覇。

2月7日(日)
 午前中、コンペのスケッチを進める。昼、カレーを食してコンペを続ける。午後、安部アトリエにて打ち合わせ。細かい微調整を確認。恵比寿のNadifにて写真家でキュレーターのTim Barberによるスライドプレゼンテーションを聴く。100人を越えるアーティストとのサイト、キュレーション、オンデマンド書籍など自身の活動を語る。

 続けて、ヒルサイドテラスにて槙文彦『光、素材、情景』展を観る。洗礼されたモダニズムのデザインとそれぞれのプロジェクトに対する建築家としての明確なビジョンを感じ、その質とスケールに圧倒される。美しい模型も良いが、試行の跡が読み取れる赤鉛筆によるスケッチ集を見入ってしまう。

 夜、姪っ子の二歳の誕生日を兄貴家族と祝う。会う度に新しい表情をするようになり叔父バカを実感する。事務所に戻って、コンペのスケッチを進める。深夜、目黒川沿いをランニングし、極寒の中、汗をかく。

2月6日(土)
 午前中、コンペのスケッチを進める。スキャンして、メールで送信。午後、 KLEEにて新しいプロジェクトの打ち合わせ。お互いもろもろの意見交換。面白い事が出来そうなので、しっかりとできることを積み重ねたい。

 夕方、麻布十番にある大好きな『Cafe Life』にて版画作品をプレゼンテーション。マネージャーの宮崎さんも気に入ってくれて好感触。作品を置いてもらうことのみならず、色々と今後の展開に広がりを感じたので是非とも実を結びたい。

  それぞれの打ち合わせをいつものように自転車で走り回っていたが、風が恐ろしく強く、更に冷たいので苦労する。立春を過ぎたが、まだまだ冬真只中。

 夜、安部アトリエにて打ち合わせ。模型も進み、あれこれ話し合う。一つずつ課題をつぶしていく作業が続く。

2月5日(金)
 午前中、集中して銅板を彫り進めて完成させる。午後、コンペのスケッチを進めてどんどんバリエーションを展開する。

 夕方、安部アトリエにて打ち合わせ。続けて白井版画工房。早速新しい銅板の試し刷りとアクアチント作業。四時間、たっぷり作業を進める。

 夜、ドローイングを進めて描き込む。深夜、コンペのスケッチを更にブラッシュアップ。

2月4日(木)
 立春だが、空気がピリッと冷たい。午前中、新しいドローイングを描き進める。メールなどの雑務。午後、コンペのスケッチ。平面やアイデアを整理する。夕方、打ち合わせを一本。

 夜、銅板を彫り進める。ドローイングと合わせて、都市風景を二つのメディアで表現する事について考える。深夜、目黒川沿いをランニング、寒過ぎて思うように走れなかった。ファラオ・サンダーズを聴きながら更に銅板に向かう。

2月3日(水)
 節分。午前中、早稲田にある穴八幡宮へ行く。お参りして、目白の森の中にある椿山荘まで散歩。都会の中に突如として現れる森の中は、丹念に手入れされていてその密度の濃さに時間を忘れる。東京カテドラルも内覧して帰宅。

 午後、メールなどの雑務にコンペのスケッチ。安部アトリエで打ち合わせをし、続けて赤坂のKLEEにてキュレーターの太田菜穂子さんと打ち合わせ。新しいプロジェクトの話。

 夜、早速新しいドローイングを始める。明確なヴィジョンをこうしたメディアで表現する試みは、つねに考えている事なのでスムースに手が進む。『現代の職人』を読み続ける。

2月2日(火)
 朝起きたら、地面にまだ雪が残っていて東京の風景がまた違って視えた。メールなどの雑務と読書。昼、コンペのスケッチ。先日、イタリアとノルウェーから届いた雑誌をホームページの『Publications』のページに更新。元同僚でポルトガル人の友人からの頼まれ事で、20世紀の日本建築について調べもの。簡単な書類をまとめて、送信。
今月末、大学のワークショップで来日するらしい。再会が楽しみだ。

 夜、新しい銅板を始める。カザルスのチェロでバッハを聴きながら、針で固い銅板に向かってカリカリ線を彫る。深夜、再度コンペのスケッチを進める。

2月1日(月)
 午前中、メールなどの雑務。企画書の翻訳の仕事を進める。午後、コンペのスケッチ。大枠を整理してまとめていく。夕方、翻訳の仕事を仕上げて送信。

 昼頃から降り出した雨が雪になったので自転車は断念し、電車と徒歩で安部アトリエまで行って打ち合わせ。スケッチを見ながら話し、今後の作業の進め方も決める。

 夜、CGの仕事の修正箇所をスケッチし、まとめて送信。深夜、残り少なくなってきたので名刺のデザインを微調整。完成し、早速ネットで印刷屋に入稿。本棚から引っ張り出して『現代の職人』(石山修武、晶文社、1991)の再読を始める。もう気がつけば二月。

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