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『EVERYDAY NOTES』

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『OPENNING NOTE』

 
 

EVERYDAY NOTES - archive - 2011 december

12月31日(土)
 朝から家族でドライブ。昨晩書き切った年賀状を投函する。恒例になってきた鳥羽の展望台に行ったり、車2台で動く。甥っ子と姪っ子と遊ぶ。宿に入ってお風呂に入ってゆっくりする。

さて、ここで2011年の「重大ニュース」をまとめてみたい。
(1)凱風館(がいふうかん)が神戸に完成。内田樹先生の道場兼住宅が中島工務店によって竣工し、建築家としての初仕事となる。(SDレビューに入選し、東京/大阪にて作品展示)

(2)糸井重里さんの人気サイト「ほぼ日」で連載『みんなの家。建築家一年生の初仕事。』をスタート。学生時代から読んでたホームページにまさか自分が執筆する日が来るなんて。(来年、アルテス・パブリッシング社より単行本化)

(3)3年ぶりにドイツを訪れ、世界遺産のフェルトリンゲン製鉄所で国際シンポジウムに参加し、『Rearranging Architecture by Nature』と題してレクチャー。(帰国後、森岡書店で日本語版をレクチャー)

(4)友人の美容師のためにサロンの内装設計をする。柔らかい壁で内外の境界をつくり、白く清潔な空間を演出。

(5)チャリティー・アート・イベント、ROSESの会場構成をやり、銅版画作品も出展し、たくさんの人に来てもらい大盛況。(イベントの宣伝のために人生初めてのラジオ出演も果た)

(6)日本大学短期大学部船橋校にて非常勤講師を勤める。1年生の設計製図の授業「ベーシック建築デザイン」を指導。

(7)大阪マラソンを「凱風館竣工記念」として走る。2年ぶり、4度目のフル、元気溢れる大阪の街を気持ちよく完走(5時間ジャスト)。

(8)夏に、山本浩二画伯と出雲大社と宮島の「老松」を巡る旅に出る。冬は、内田先生の「伊丹十三賞」記念講演を聴きに内田ファミリー・バスツアーで松山へ。

(9)311の東日本大震災の1ヶ月後の4月、テキスタイルコーディネーター・デザイナーの安東陽子さんと東北、石巻に行って「間仕切りプロジェクト」に参加。テレビの映像からは伝わらない、空気の質や匂い、衝撃の体験をする。引き続き、できることを考えて何かしらコミットしたい。

(10)甲南合気会に入会。内田樹師範の下、合気道を始める。自分の設計した道場でたくさんのお弟子さんと一緒にお稽古という至福。

 今年も大変お世話になりました。来年もどうぞ宜しくお願い致します。

12月30日(金)
 午前中、準備を済ませて三重県・伊賀まで車で行く。ほぼ日のメンバーのお誘いで、土楽さんの餅つきに参加させてもらう。福森さんに紹介してもらい、素晴らしい母屋や工房、裏山の登り釜まで案内してもらう。餅つきは楽しく、美味しい体験だった。こうした恒例行事が豊かさの指標のように感じる。

 夕方、車で鳥羽へ。兄貴家族とも合流し、甥っ子、姪っ子と楽しく遊ぶ。深夜、年賀状の宛名と一言を書いていく。

12月29日(木)
 昼までゆっくり寝る。昨日書いた年賀状を投函し、郵便局などあれこれの雑務を済ませて、ひたすら年賀状を書いていく。300枚以上あるのはなかなかハードワークだが、今年最後の仕事は、来年最初のご挨拶。

 夜、大阪にて友人たちと忘年会。2次会から山本画伯も合流し、ナポリのカフェで修行したバリスタの入れてくれたエスプレッソを2杯も頂く。画伯から購入したリトグラフも持ってきてもらい、ついに手元に届いて嬉しくなる。

12月28日(水)
 午前中、年賀状制作と帰郷の準備。昼の新幹線で神戸へ。新幹線ではメールなどの雑務。

 凱風館にて合気会の「稽古納め」。人生初めての道着を着て、合気道。まだまだ右も左も分からないが、ジャージと違って、道着着るだけで何となく背筋がピンとする。2時間お稽古した後に、みんなで大掃除。それから2階に上がって、1品持ち込みの大宴会。内田先生を囲んでワイワイ楽しい宴。

 深夜、実家に帰って年賀状制作。可能な限り書き始めていく。

12月27日(火)
 朝一のバスで金沢を後にするも、小松空港で飛行機が欠航になり、2時間遅れで帰京する。昼から事務所で仕事。凱風館の二期工事のデザインを検討。羽鳥書店から来年、出版予定のドローイング集に収録する原画をファイリング。

 夕方、銀座で羽鳥さんらと前打ち合わせ。続けて、デザインセンターにある原研哉さんの事務所へ。念願の原さんとご挨拶もほどほどに、凱風館の竣工写真から旅のスケッチ、描き貯めている一連のドローイングと銅版画を見てもらい、意見交換。これらをどのように作品集にまとめて、社会に発信していくかについて話し合う。90分にも及び、大変貴重な意見と宿題を頂く。原さんの眼にどのようにこれらのドローイングが映ったかも分かり、大収穫。いよいよドローイング集も本格始動と言った感じ。初めてお会いする原さんは、豪快なルックスとは裏腹にとても繊細な感性と言葉遣いで人を惹き付ける魅力的な人だった。一緒にお仕事できるなんて、嬉しい限り。最高の本をつくりたい。

 夜は、羽鳥さんらと打ち上げ忘年会。近況報告から、凱風館のこと、出版業界のことなど、美味しいイタリアンを食べながら大いに盛り上がる。とにかく本づくりも建築をつくるのと同様、良いものをつくるのは、作り手みんなの熱い想い、情熱であることを再確認。来年5月の完成を目指して本づくりがはじまった。

 帰宅して、メールなどの雑務。部屋の整理もほどほどに年賀状制作を進めてたら、休憩のつもりがソファーで寝落ちしていた。

12月26日(月)
 2時間半の睡眠で、自分を叩き起こして羽田空港へ。朝一のフライトで小松空港へ飛んで、金沢へ行く。友人の紹介でとある味噌屋の改修計画の相談。実に魅力的な空間だった。そこには、時間がべっとりと積層し、複雑で多様な音楽が奏でられるような空間。倉の壁があり、釜があり、立派な柱、梁が残る木造建築。

 午後、ひがし茶屋街をぶらい散歩。風情のある街並が美しく、志摩という茶屋を見学させてもらったが、実に美しい紅ガラの土壁や釘隠しが印象的な重厚な空間体験。時間に耐える建築の魅力は言葉にならない落ち着きを放っている。

 夜、味噌屋さんのご主人と打ち合わせ。自己紹介から始まって、あれこれ90分話し込む。僕の伝えたかったことは充分理解してもらえたと思うが、肝心なプロジェクトとしては、少し前から始動してしまっており、色んな条件を考慮するともう後戻りはできないとのこと。建築は、時間とお金、技術の3つの要素の関係性を敷地とお施主さんの想いから抽出してバランスをみつけていくのだが、今回はご縁がなかったということ。お会いするタイミングがちょっと遅すぎたようだ。悔しいし、残念だけど、しかたない。

 親戚と遅い食事をする。僕のドローイングを購入してくれたこともあり、それを作品集のために再度お借りしていることについての説明や凱風館のこと、近況について報告しながら海の幸を堪能する。肝であえたカワハギがあまりに絶品。雪振る金沢の一日が終わる。

12月25日(日)
 朝、下呂温泉の方まで行って、お施主さん家族と合流。皆で加子母村へ行く。昨日の雪ですっかりホワイトクリスマスとなった。19年に1度、新月とクリスマスは重なるらしいが、今日はその新月伐採のため、加子母村の山へ入る。

 中島社長と挨拶も程々に、4駆で雪道を分け入ってヒノキの森に入る。木こりの安江さんは仲間を連れて既に早朝から木を伐り始めている。雪振る中、実際に木を伐る現場を皆で見学する。伐ったばかりのヒノキの切り株の年輪を数え、樹齢80~100年のものを中心に伐っていく。周りが白銀の世界であることも手伝ってか、すごく神聖な気持ちになって伐られていく木を見ていた。ここから家づくりが始まる。こうした物語はプライスレス。一緒に共有できたことが何より嬉しい。しっかりと設計を進めて、立派な住宅をつくりたい。お施主さんは僕のほぼ日での『みんなの家。建築家一年生の初仕事。』連載を読んで、依頼してくれたので、スタート時点で多くを共有してもらっているので、気持ちよく仕事が進む。

 午後、中津川まで送ってもらい、電車で帰京。事務所の整理して、年賀状の着色作業を進める。

12月24日(土)
 午前中、ゆっくり寝て溜まった疲れを取る。昼、凱風館で打ち合わせ。午後、鷲見支店長と一緒に加子母村へ。到着間際になって、シンシンと雪が降り始める。4時間かけて、下呂にある鷲見さんの家に着く。ご両親にも挨拶し、お世話になる。囲炉裏のある素敵な木造住宅で、鶏ちゃんと食べたりして素敵なクリスマス・イブを過ごす。

 大変美味しい食事を頂き、あれこれと今後の可能性について語り合う。深夜、ほぼ日の原稿を少し書き進めて、就寝。ホワイトクリスマス。

12月23日(金)
 朝一の新幹線で凱風館へ。追加工事の打ち合わせなど。防音対策などを検討。

 夕方、芦屋で甲南麻雀連盟の忘年会としてみんなで楽しく河豚を食す。ヒレ酒も美味しく、何より内田先生をはじめ、愉快な皆さんと楽しく食事してると時間があっという間になくなる。こうして、激動の2011年が少しずつ終わろうとしている。

12月22日(木)
 午前中、メールなどの雑務。昼、日大船橋校へ。ベーシック建築デザインの授業でエスキースを進める。それぞれが課題に取り組んでいるのを盛り上げるように努める。

 夜、アルテス・パブリッシングの鈴木さんと『みんなの家。』連載の書籍化について打ち合わせと忘年会。あれこれ色んなアイデアが生まれて、楽しみになる。

 深夜は、年賀状制作とドローイングを少し描き進める。出張の準備などしてたら朝になっていた。

12月21日(水)
 午前中、メールなどの雑務。凱風館の防音対策など追加工事の検討。午後、ドローイング集の準備を進める。夕方、安東陽子デザインの新しい事務所開きに顔を出す。大きなテーブルのある素敵なテーブルだった。

 夜、電車でKAATへ。チェルフィッチュの『3月の五日間』(作・演出:岡田利規)を観る。念願の再演を観ることができたが、大変面白かった。小説とはまた違った奥行きのある作品だった。個性豊かな俳優さんたちの身体を利用したコミュニケーションや断片化された物語の伝わり方、影を駆使した絶妙なステージデザインも印象的。

 深夜、出張の準備も程々に、チェルフィッチュのお芝居を思い出しながらドローイングの筆を進める。新作を描きながらテンションが上がる。

12月20日(火)
 午前中、メールなどの雑務。連日の新建築の吉岡ライブラリーへ。日独ジョイント・ワークショップ2日目。昨日の議論をベースにあれこれ具体的なコラボレーションの可能性について話し合う。とても立体的で建設的な話しができたからこれからが楽しみだ。

 夜、クライアント夫妻と打ち合わせ。これからの進め方についてあれこれ。深夜、ほぼ日の原稿を書いて送信。

12月19日(月)
 午前中、メールなどの雑務。昼から新建築の吉岡ライブラリーへ。古くからの友人であり、建築家のヨルグ・ネニッグの誘いで『ナレッジ・スケープ』というワークショップに参加。西沢大良さんや国広ジョージさんも参加。僕は、凱風館とドローイングについてミニ・レクチャー。全て英語ということもあって、ダイレクトな議論が進む。10年以上前から知ってるヨルグとこうして一緒にワークショップができるとは嬉しい限りだ。

 夜、凱風館の二期工事についてあれこれ、T邸の準備についても進める。深夜はドローイングを描き進める。

12月18日(日)
 午前中、ほぼ日読者さんから僕に設計依頼をしてくれたお施主さんと打ち合わせ。これからの家づくりについてあれこれ話し合う。第1案は気に入ってくれたので、これからの進め方について。クリスマスには新月伐採をすることも決定する。昼は、ドレスデンより一時帰国中のヨルグ・ネニッグと合流し、建築学会にて『建築雑誌』の展覧会を一緒に観る。それからカフェしながらあれこれ近況報告。ワークショップについても意見交換する。

 午後、子供の生まれた友人夫妻宅に遊びに行く。すくすく育っていて楽しい時間を過ごす。とっても幸せそうで、ハッピーなエネルギーをお裾分けしてもらう。夜は、友人の忘年会に参加。楽しい集まりだった。

 深夜、年賀状制作を進めて、ドローイングの新作も描き進める。

12月17日(土)
 午前中、ゆっくり準備を済ませて、午後、大事な打ち合わせを1本。緊張しながらも、しっかりと今できることができたので納得。

 夕方、横浜にあるYGSAに行くも、藤原さんの企画したイベントは終わっていたので、挨拶もほどほどに帰宅。夜は、ドローイングの新作を描き進める。

12月16日(金)
 午前中、メールなどの雑務とドローイング集の準備を整える。諸々の書類を準備する。午後、ときの忘れものギャラリーにて綿貫さんと打ち合わせ。来年のドローイング集に合わせて、展覧会を企画してもらうことになった。まさか、自分が学生時代から通っていたギャラリーで展示ができるなんて、またドリームプロジェクトが一つ動き出す。

 夜、新宿ピットインにてJAZZライブ。北欧のJAZZを聴きながら、楽しい時間を過ごす。良質の音楽は、聴きながら頭の中で風景が見える。何とも癒される瞬間だった。

12月15日(木)
 午前中、メールなどの雑務。昼、日大船橋校へ。ベーシック建築デザイン。模型をつくったりしながら建築デザインの幅を広げるように指導する。授業の最後の1コマで、ミニレクチャー。ザウアブルッフ・ハットン・アーキテクツでの仕事と凱風館やドローイングをプレゼンする。

 夜、新宿OZONEにて2つの展覧会のオープニングへ。谷尻誠さんの発泡スチロールを使ったインスタレーションは豪快な展示なのに対して、平瀬有人さんの展示は自作を丁寧に見せる建築展。お二人に挨拶し、帰宅。

 深夜、ドローイングの新作を進める。ペンとクレヨンを併用した作品の試み。

12月14日(水)
 午前中、メールなどの雑務。関西出張の議事録を作成し、打ち合わせの準備を進めていく。昼もあれこれ電話対応。明日のレクチャーの準備も進める。

 夕方、神楽坂のイタリアンレストランへ。内田先生と新潮社の方々と『芸術新潮』連載の打ち上げ。思えば、一年前にひょんなことからスイス人の友人を介して前田さんとお会いし、1年後にこんなことになっているとは、いやはや人生は何とも不思議で面白い。連載の話から今後の書籍化についてあれこれと楽しくお話しする。

 夜は、部屋の大掃除。部屋を綺麗にして頭もすっきりする。深夜、レクチャーの準備を完了し、デスク周りも整理する。

12月13日(火)
 始発で凱風館へ。合気道の初めての朝稽古。まだ暗い内から体を動かしていくのは何とも快感。一日がすごく長く感じる。昼の新幹線で帰京。新幹線は流石に爆睡する。目黒の喫茶店で打ち合わせ一本。午後、事務所でメールなどの雑務。

 夜は、大学時代の友達と忘年会。卒業してかれこれ10年近くなるが、相変わらず馬鹿が出来る貴重な仲間。みんなそれぞれと人生を生きている。

12月12日(月)
 朝から三宮へ。中島工務店の加藤さんと合流し、舞多聞のモデルルームを視察。ここの内装の改修を依頼される。SDレビューで展示した凱風館の模型などを常設展示させてもらう。その他、凱風館の追加工事などについてみっちり打ち合わせ。

 夕方、凱風館にて少年部の合気道のお稽古に参加。その後、友人の開業祝いで鍋をつつく楽しい宴。電車で『困ってるひと』(大野更紗、ポプラ社、2011)を読み終える。壮絶な人生を実に軽快な文章で綴り、何とも不思議なことに決して楽観できる物語でないはずなのに、元気をもらう。とにかく一日一日を大切にしようという気持ちになる。

12月11日(日)
 昼まで寝て、体力を回復。午後、メールなどの雑務。あれこれと打ち合わせ項目の整理をしていく。思い立って奈良県立美術館に行く。「磯江毅=グスタボ・イリエ」展を見る。東京で見たそれとはまた空間が違ったのと、作品も増えていたので、大いに見入ってしまう。リアリズムを追求して現実の世界が持つ本質らしきまでたどり着く描写について考える。緻密であることの強度も感じる。『深い眠り』は圧巻。

 夕方、奈良の街を散策していたら吉報が届く。ほぼ日から生まれた嬉しいご縁に感謝をしながら、また引き続き頑張りたい。夜は、実家でサッカーを見ながらのんびりして過ごす。いくつかの本を雑読する。

12月10日(土)
 午前中、メールなどの雑務。昼、凱風館へ。合気道のお稽古。続けて、2階に上がって甲南麻雀定例会「打ち納め」に参加。2戦1勝。今年も楽しく打たせてもらった。お稽古を終えた内田先生と打ち合わせ。

 終電で奈良に帰る。帰路、『日本のデザイン』(原研哉、岩波新書、2011)を読み進める。深夜、風呂に入ってぐっすり寝る。合気道を始めたからか、体がほっこりする。

12月9日(金)
 午前中、メールなどの雑務。新幹線で神戸へ。疲れがたまっているのだろう、やはり車内は爆睡。凱風館の追加工事などについて中島工務店と打ち合わせ。

 夕方、凱風館にて初めての合気道お稽古。ついに多田塾甲南合気会に入会する。自分の設計した道場に通うことになり、感慨深い。しかし、全くの初めてで右も左も分からず、まだ空間を感じたり、身体感覚を楽しむまでもないが、小学生の時の体育の授業を思い出す。可能な限り関西出張の際が集中してお稽古したい。

 夜、内田先生と入門祝いとしておでんを頂く。こうした「人生初めて」を体験できるのはとても貴重であり、嬉しい。終電で奈良の実家に帰宅、バタンキュ。

12月8日(木)
 午前中、メールなどの雑務。昼、日大船橋校へ。ベーシック建築デザインの授業。第二課題の合同講評会をしてから、第三課題のエスキースを進める。

 夜、日大の忘年会。その後は、ドイツから遊びに来ている友人と遅い食事。日本での2週間の旅を楽しんだようだ。

12月7日(水)
 午前中、メールなどの雑務と電話対応。年末のスケジュール調整で午前中が終わってしまう。午後、中島工務店のモデルルーム改修の提案を検討。来週の打ち合わせの準備をする。SDレビューで展示した模型やパネルも組み込んでいく。

 凱風館の図面や資料のアーカイビング。とにかくすごい量になった図面やスケッチ、模型を整理していく。鈴木研一さんから届いた竣工写真を再確認。まだ残工事や二期工事もあるが、いよいよ完成したんだという実感が少しずつ湧いてくる。

 深夜、ほぼ日の原稿のチェックバックをし、新作のドローイングを描き進める。深夜の時間に、集中して描くのがしっくりきて好きだ。しかし、師走もあっという間に1週間。もう気がつけば、今年も3週間ちょっとか。

12月6日(火)
 今日はスタッフもこないし、見たい展覧会と聴きたい対談があるのでオフにする。午前中、東京都現代美術館にて『建築、アートがつくりだす新しい環境』と『ゼロ年代のベルリン』を観賞。前者は「新しい環境」ということと「これからの””感じ」というのが絶妙と微妙の間にあり、何となく偏ったセレクションの印象をもった。ただSANAAが共同企画なので、意図は明快だが、個人的には出展者としてのみ参加した方が存在感があったように思う。しかし、最後の部屋のヴェンダーズ監督のロレックス・ラーニング・センターの映像は必見。3Dの精度はいまいちだったが、あの建築が圧倒的に新しいものを実にシンプルな操作で達成していることに驚嘆。だからナレーションの言葉も単純。後者は、ベルリンに住んでいただけに、どうしても厳しい目線でみてしまうのか、「ベルリンはもっと面白いぞっ」と思ってしまう印象。オマー・ファストの映像作品<キャスティング>が面白かった。もう少し、平面や立体作品で若い作家のものも見てみたかった。

 午後、雨の中、戸塚へ。中沢新一さんと高橋源一郎さんの対談「文明の転換」を聴きに行く。のっけから二人の軽妙なトークに圧倒され、示唆に富んだ話で大いに刺激を受ける。現実に適応する方法として学問を横断しながら、普遍性へと向かう中沢さんの切り口に納得。普遍的存在としての人間の普遍というものは、脳の中にあるということやマルクスの提示した二極化は、現代においても違った形で進行していることを話し、意味の増殖性と自然エネルギーの増殖性へと進む。資本主義経済は、増殖し得ないお金をマーケットに投入するという構造に問題がある。最後に贈与について。贈与が計算できないのは、人間は利己的存在であるという前提にあるからというのには目から鱗。最後に共同体の話になり、僕も「自然との直接的な共生が難しい大都市において、いかにして我々は共同体を形成できるか?」と聴いたら「そこが問題で、祝島のような経済特区を世田谷辺りで実践して、新しい価値観に基づいたシステムの提案を考えている」とのことだった。実に充実した対談で多くの良質な宿題をもらった気分。

 夜、ドイツから遊びに来ている友人と食事。日本の街の清潔さや人々の優しさについて熱弁してくれた。深夜、ちょこっとドローイングを描く。

12月5日(月)
 午前中、メールなどの雑務。今までの凱風館の資料のアーカイヴィングをはじめる。つくった全ての模型を管理する棚を制作。夕方には完成し、凱風館マンション?が事務所にそびえ立つ。2年間で15個の模型をつくったことになる。

 午後、凱風館についての取材対応など。週末の打ち合わせの準備を進める。細かいスケッチを重ねる。夜、図面と模型をチェックする。

 深夜、ゆっくり読書。いくつかの本を転がしながら読む。この断片的なもの同士の組み合わせというのが楽しい。

12月4日(日)
 午前中、メールなどの雑務とデスクワーク。たまった資料整理なども終わらせる。午後、ほぼ日の原稿を書き進める。中島工務店のモデルルーム改修プロジェクトをスケッチ。凱風館の情報発信コーナーを設計する。

 夜、中学時代の友人たちと忘年会。トロントで知り合って、もう20年以上つき合っている仲間。とろけるローストビーフなど、極上の手料理を頂く。子供を連れてきたりと、相変わらずワイワイ楽しく過ごす。

 深夜、ドローイングを描きはじめる。新しい作品の構想を試しながら描いていく楽しい作業。BGMはスタン・ゲッツ。

12月3日(土)
 午前中、メールなどの雑務と電話対応。「三宿テラス」にまたブレーキがかかる。少し待つしかないようだ。午後、半年ぶり以上に白井版画工房へ。年賀状を制作し、10枚ほどを刷る。久しぶりの作業で盛り上がる。乾燥したら、着色していく予定。スキャンして、コメントと住所書いたりと、いよいよ年の瀬だ。

 夕方、大坊珈琲で打ち合わせ一本。オルガヘキサという炭素素材の新しい展開についてあれこれと話し合う。凱風館の床の下にも敷いたけど、実に多様な可能性をもった新素材だ。夜は、友人たちと忘年会。二次会はいつものお好み焼き屋さん。

12月2日(金)
 午前中、メールなどの雑務。ホームページのアーカイブについて作業を進める。デスクワーク、資料の整理を進める。新規プロジェクトのスケッチをする。年末の予定がいよいよ決まってくる。来年からのマトグロッソ連載について一人でブレスト作業が続く。

 夜、友人のバンドのクリスマスライブのため渋谷へ。テンションの上がるパーティーで、心地よい音楽に癒される。サックスを吹いてみたいという想いが一段と強くなり、「来年こそ、絶対サックスをはじめる」と自分に言い聞かせる。凱風館のオープンハウスに来てくれた友人にも祝福の言葉をもらい、お互いの近況報告。

12月1日(木)
 ついに今年も師走になった。冷たい雨ではじまる一日。今年のジェットコースターイヤーも残しわずか。最後まで全力疾走あるのみ。午前中、メールなどの雑務。昼から日大船橋校舎へ。ベーシック建築デザインの授業。第二課題の採点。みんなそれぞれに課題に取り組んでいるが、やはりエネルギーの総量が足りない気がするが、どんどん自由な感覚をもって頑張ってほしい。模型が得意な人図面が好きな人、自身の得意分野を伸ばしていってほしい。

 夜は、事務所でわれこれ仕事。凱風館の第二工事のデザイン。メールなどの雑務に追われる。深夜、ほぼ日の原稿を書き進める。そして、『困っている人』(大野更紗、ポプラ社、2011)を読み始めるも、止まらない。これはまた凄いリアリズム。

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